詐欺は損害賠償の対象で、返金の義務を負う

不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)

不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)

民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求とは、不法行為により第三者に損害を与えた場合にはその損害を回復する義務が発生すると言う法律です。

 

 

読んだままですが、これは民法においても非常に重要な要素なのでしっかりと覚えておいた方がいいと思います。

 

 

民法709条

不法行為に基づく損害賠償

 

 

 

故意または過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

ここにおける不法行為とは、物質面(金銭など)に限定されません。

 

 

精神的な苦痛により損害を負わされた場合などであっても、加害者側に賠償請求を行うことが可能です。

 

 

 

詐欺事件においても決定的な重大要素

 

 

 

民法における詐欺というのは言うまでも無く他者の財産権を侵害する行為です。

 

 

 

1 双方に因果関係が存在すること
2 財産権の侵害が発生したこと
3 金銭的な損害が発生した事実

 

 

 

争点はこの3つです。

 

 

 

刑事事件として取り扱わない場合であっても、民事であれど詐欺行為による被害の回復義務というものが、加害者側に発生します。

 

 

 

詐欺師が人からお金を10万円だまし取ったとすれば、被害者側には10万円の金銭的損害が発生します。

 

 

そして、この10万円を奪った詐欺師は、「詐欺もしくは強迫による取消」(民法96条)の適用により、契約自体の取消もそうですが10万円の損害賠償責任を負うということです。

 

 

当然と言えば至極当然なのですが、詐欺師にお金をだまし取られて泣き寝入りしないためにも、ここは絶対覚えておいてほしい法律だというのが運営者の見解です。

 

 

 

故意でも過失でも関係無いことに注目

 

 

 

そして、この不法行為に基づく損害賠償は、条文にもありますように故意でも過失でも関係無く損害賠償責任を加害者側は負うということに注目です。

 

 

 

故意⇒わざと。あきらかに意図的に
過失⇒意図せず、偶発的に、偶然起こってしまった

 

 

 

詐欺自体も、詐欺師自身が本当は人を騙す気が全く無かったなどと言い張るものです。

 

 

それなので明らかに詐欺の意思があったことを証明できないと、刑法の詐欺罪は適用が難しいという側面があります。

 

 

 

 

 

 

しかし、民法709条を適用させる場合であれば全く関係ありません。

 

 

過失、つまりわざと人を騙すつもりが全くなかったとしても、損害賠償に応じなければならないという法律ですからね。

 

 

 

これにより、万が一不当な取引やなどで消費者側がだまし取られる形でお金を失ったとしても、取引相手(売り主など)には損害賠償の義務が発生します。

 

 

詐欺事件の被害回復において、この法律を適用しない手は無いと言えるでしょう。

 

 

 

不法行為が立証されない場合はあるか

 

 

不法行為は故意か過失かをとわず、賠償請求が可能であることはご説明しました。

 

 

しかし、例外的に認められない場合も無いわけではありません。

 

 

それは、相手に責任能力が認められなかった場合です。

 

 

責任能力というのは、加害者が自身の行いを不法行為であり、第三者に損害を与えた場合、損害賠償責任が発生することだと認識できる能力のことを指します。

 

 

 

それなので、加害者側にこの責任能力が認められない場合は民法における賠償ができないことになります。

 

 

 

また加害行為と被害者の損害の間に、因果関係が認められない場合も適用されません。

 

 

 

たとえばAさんが屋外でスマートフォン(以下スマホ)を友人のBさんに10分だけ貸していたとします。

 

 

 

 

 

しかし、急に雨が大量に降ってきてしまいました。

 

 

雨具もなく他に雨を回避できそうな建物も近場にありませんでした。

 

 

BさんはAさんにスマホを返し、Aさんは鞄の中にしまいましたが防水加工の鞄でもなく、スマホも防水対策はしていませんでした。

 

 

それなので結果として大量の雨水にさらされたスマホが壊れてしまい、Aさんは友人Bさんに「弁償しろ」と請求をかけたとしましょう。

 

 

 

この場合、残念ながら弁償させるのはまず無理でしょう。理由は簡単で、因果関係が認められないからです。

 

 

 

Bさんが直接的にAさんのスマートフォンにコーヒーなどの飲み物をこぼしてしまったりしていれば、民法709条が適用されるのでしょうが、雨は自然界の現象です。

 

 

天候が曇ってきてしまった後も、すぐにスマホをAさんに返しています。

 

 

 

このように、因果関係が成立しえない場合、損害賠償請求自体は不可能であるということも覚えておいてください。

 

 

 

 

ただし、詐欺においては分かりやすい事例ばかりですし、因果関係が認められることが圧倒的なので、それほど心配する必要はありません。

 

 

責任能力が加害者側にあるかどうか
賠償の争点となるものに、加害者と被害者の因果関係があるかもポイント

 

 

内容証明やメール連絡でも積極的に盛り込んで下さい

 

 

 

それなので、刑事事件に移行する前段階、つまり民事訴訟という形で被害金の奪還を目的とするのであれば、この民法709条は徹底的に前面に押し出してください。

 

 

 

内容証明などを送付するのであれば、消費者契約法や民法などと照らし合わせて違法なことに加え、

 

 

 

「あなた(販売者か詐欺師)には、民法709条の不法行為による損害賠償責任が発生していますので、しっかりと期日までにお金を返しなさい」

 

 

 

・・・こうした主張を行うという事です。

 

 

メールでも何でも構いません。

 

 

むしろ連絡がつくのであれば作成の手間暇が省略されますので、内容証明よりも電子メールなどでまずは送信することをお勧めします。

 

 

 

とにかく泣き寝入りしないためにも、民法709条がある以上、不当な取引などでお金を失った消費者は詐欺師たちに損害賠償を請求できる権利があるということを覚えておいてください。

 

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